今回は、発酵食品がホルモンバランスを整える方法と、更年期障害やPMSを改善する方法についてお話しします。
ホルモンバランスとは何か?
ホルモンバランスとは、体内で分泌されるホルモンの量や種類が適切な状態のことです。ホルモンは、成長や発達、代謝や免疫、生殖や性機能など、体の様々な機能を調節する物質です。ホルモンは、脳や内分泌器官から分泌され、血液によって全身に運ばれます。ホルモンは、特定の細胞に対して働きかけることで、その細胞の活動を変化させます。
ホルモンバランスは、個人差や年齢差などによって異なります。ホルモンバランスが良いと、体の機能が正常に働き、健康や美容にも効果があります。ホルモンバランスが悪いと、体の機能が乱れ、様々な不調や病気になりやすくなります。ホルモンバランスは、遺伝的な要因や体質などによって決まる部分もありますが、食事や運動などの生活習慣によっても変化します。したがって、ホルモンバランスを整えることで、不調や病気を予防や改善することができます。
発酵食品がホルモンバランスを整える理由
発酵食品がホルモンバランスを整える理由は、主に以下の二つです。
- 乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やす
- イソフラボンやポリフェノールなどの植物性エストロゲンを含む
善玉菌を増やす
発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌は、腸内で悪玉菌や有害物質と戦って、腸の健康を守ります。善玉菌が多いと、腸内環境が改善され、便秘や下痢などのトラブルが減ります。また、善玉菌は、腸内でビタミンや短鎖脂肪酸などの有用な物質を生成し、腸の粘膜を強化したり、免疫力を高めたりします。
腸内環境が良いと、ホルモンバランスにも効果があります。腸内で生成されたビタミンや短鎖脂肪酸は、血液によって全身に運ばれ、ホルモンの分泌や代謝に必要な成分となります。また、腸内で分解された有害物質は、ホルモンの働きを妨げることがあります。有害物質が多いと、ホルモンの分泌や代謝が乱れ、ホルモンバランスが悪くなります。したがって、発酵食品を摂取することで、善玉菌を増やし、腸内環境を改善することが、ホルモンバランスを整えることにつながります。
植物性エストロゲンを含む
発酵食品には、イソフラボンやポリフェノールなどの植物性エストロゲンと呼ばれる成分が含まれています。植物性エストロゲンとは、植物に由来する物質で、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きをする物質です。植物性エストロゲンは、エストロゲンの受容体に結合することで、エストロゲンのような効果を発揮します。植物性エストロゲンは、エストロゲンの分泌が低下する更年期や月経前の女性にとって、ホルモンバランスを整える効果があります。
植物性エストロゲンには、以下のような効果があります。
- 骨粗しょう症の予防:エストロゲンは、骨の吸収を抑えて骨量を維持する働きがあります。エストロゲンが低下すると、骨が脆くなりやすくなります。植物性エストロゲンは、エストロゲンの代わりに骨の吸収を抑えることで、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
- 更年期障害の改善:エストロゲンは、自律神経や精神を安定させる働きがあります。エストロゲンが低下すると、のぼせや発汗、不眠やイライラなどの更年期障害が起こりやすくなります。植物性エストロゲンは、エストロゲンの代わりに自律神経や精神を安定させることで、更年期障害の改善に役立ちます。
- PMSの改善:エストロゲンは、月経周期に応じて分泌量が変化します。エストロゲンが低下すると、月経前に不安やイライラ、腹痛や頭痛などのPMSが起こりやすくなります。植物性エストロゲンは、エストロゲンの代わりに月経周期を調整することで、PMSの改善に役立ちます。
発酵食品のおすすめの種類と摂り方
発酵食品を効果的に摂るためには、以下の点に注意しましょう。
- 種類や量をバランスよく摂る
- できるだけ新鮮なものを摂る
- 他の食品と組み合わせる
種類や量をバランスよく摂る
発酵食品には、さまざまな種類があり、それぞれに異なる効果や栄養素があります。例えば、納豆や味噌や醤油は、善玉菌やアミノ酸やビタミンB群が豊富ですが、塩分が多いです。チーズやヨーグルトは、カルシウムやビタミンDや植物性エストロゲンが豊富ですが、脂肪分や糖分が多いです。発酵あんこは、善玉菌や植物性エストロゲンが豊富ですが、糖分が多いです。
したがって、発酵食品を摂るときには、種類や量をバランスよく摂ることが大切です。一日に摂る発酵食品の目安は、以下のようになります。
- 納豆:1パック(50g)
- 味噌:1日に大さじ1杯(15g)
- 醤油:1日に小さじ1杯(5ml)
- チーズ:1日に20g以内
- ヨーグルト:1日に100g以内
- 発酵あんこ:1日に大さじ1杯(20g)以内
できるだけ新鮮なものを摂る
発酵食品は、できるだけ新鮮なものを摂ることがおすすめです。新鮮な発酵食品は、生きたままの善玉菌や酵素が多く含まれており、効果が高いです。また、新鮮な発酵食品は、風味や香りが良く、美味しく摂ることができます。
発酵食品の新鮮さを保つためには、以下の点に注意しましょう。
- 賞味期限や消費期限を守る
- 開封後は冷蔵庫で保存する
- 加熱する場合は、低温で短時間にする
他の食品と組み合わせる
発酵食品を他の食品と組み合わせることで、効果を高めることができます。例えば、以下のような組み合わせがおすすめです。
- 納豆とご飯:ご飯に含まれる糖質が納豆の善玉菌のエサになり、腸内環境を改善します。また、ご飯に含まれるビタミンB1が納豆のナットウキナーゼと相乗効果を発揮し、血液の流れを良くします。
- 味噌汁と豆腐:豆腐に含まれる大豆イソフラボンが味噌のアミノ酸と相乗効果を発揮し、女性ホルモンのバランスを整えます。また、豆腐に含まれるカルシウムが味噌のビタミンKと相乗効果を発揮し、骨の健康を支えます。
- 醤油と生姜:生姜に含まれるジンゲロールが醤油のアミノ酸と相乗効果を発揮し、血行を促進します。また、生姜に含まれるショウガオールが醤油のポリフェノールと相乗効果を発揮し、抗酸化作用を高めます。
- チーズとナッツ:ナッツに含まれる不飽和脂肪酸がチーズのカルシウムと相乗効果を発揮し、骨や歯の健康を支えます。また、ナッツに含まれるビタミンEがチーズのビタミンDと相乗効果を発揮し、肌の潤いを保ちます。
- ヨーグルトとフルーツ:フルーツに含まれるビタミンCがヨーグルトの植物性エストロゲンと相乗効果を発揮し、肌のコラーゲン生成を促進します。また、フルーツに含まれる食物繊維がヨーグルトの善玉菌と相乗効果を発揮し、腸内環境を改善します。
- 発酵あんことホットケーキ:ホットケーキに含まれる卵や牛乳が発酵あんこの善玉菌のエサになり、腸内環境を改善します。また、ホットケーキに含まれる小麦粉や砂糖が発酵あんこの植物性エストロゲンと相乗効果を発揮し、女性ホルモンのバランスを整えます。
まとめ
発酵食品は、ホルモンバランスを整える効果があります。発酵食品を摂取することで、善玉菌を増やし、腸内環境を改善し、ホルモンの分泌や代謝に必要な成分を摂取することができます。また、発酵食品を摂取することで、植物性エストロゲンの働きによって、女性ホルモンのバランスを整えることができます。発酵食品を効果的に摂るためには、種類や量をバランスよく摂り、できるだけ新鮮なものを摂り、他の食品と組み合わせることが大切です。