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【徹底解説】おしることぜんざいの違いとは?関東と関西で全く違う?あんこ屋が語る、奥深い歴史と美味しい楽しみ方

ぜんざい

【徹底解説】おしることぜんざいの違いとは?関東と関西で全く違う?あんこ屋が語る、奥深い歴史と美味しい楽しみ方

こんにちは。「あんこの革新」です。

私たちのブログへお越しいただき、誠にありがとうございます。

さて、突然ですが、皆さんは「おしるこ」と「ぜんざい」の違いを、明確に説明できますでしょうか?

「粒が入っているかどうか?」「汁気の多さ?」

似ているようで違う、この二つの甘味。実はその境界線は非常にあいまいで、お住まいの地域によって、その定義ががらりと変わる、日本の食文化の多様性を象徴するような、実に興味深いテーマなのです。

「でも、なぜ真夏にこの話を?」と思われましたよね。

理由は三つあります。一つは、冷房などで意外と体が冷える「夏の温活」として。二つ目は、冬本番を迎える前に「知識を深めておく」ことで、今年の冬、もっとこの二つを深く味わえるように。そして三つ目は、この話の最後に登場する、夏ならではの「最高の楽しみ方」があるからです。

どうぞ最後まで、この甘くて深い謎解きにお付き合いください。

■永遠の謎?「おしるこ」と「ぜんざい」地域別の違いを徹底解剖!

この謎を解く最大の鍵は、「関東」と「関西」という地域の違いにあります。同じ名前でも、指し示すものが全く違うのです。まずは、以下の比較表をご覧ください。

関東関西
おしるこ汁気のあるあんこ全般(こしあん/つぶあん)こしあんを使った汁物
ぜんざい汁気のない、餅などにかけるあんこつぶあんを使った汁物
(参考)汁気のないあんこ → 亀山、金時など

いかがでしょうか。かなり混乱しますよね。一つずつ解説していきましょう。

【関東の場合】

関東では、汁気がある温かいあんこ料理を、広く「おしるこ」と呼びます。その上で、粒感のある「田舎しるこ(つぶあん)」や、なめらかな「御前しるこ(こしあん)」といった風に、中のあんで区別することがあります。

そして、関東で「ぜんざい」を頼むと、一般的に汁気のない、お餅や白玉の上に、ぽってりとしたあんこを乗せたものが出てきます。甘味処のメニューでよく見る、あのスタイルです。

【関西の場合】

一方、関西では、汁物という点は共通ですが、あんで明確に名前が変わります。

なめらかな「こしあん」の汁物は「おしるこ」。

そして、小豆の粒が残った「つぶあん」の汁物は「ぜんざい」と呼ばれます。

では、関東で言う「ぜんざい(汁気のないあんこ)」は、関西では何と呼ばれるのか?というと、お店にもよりますが「亀山(かめやま)」や「金時(きんとき)」といった名前で提供されることがあります。

つまり、東京の甘味処で「ぜんざい」を注文したつもりの関西の方が、ぽってりとしたあんこが出てきて驚いたり、その逆もまた然り、という現象は、この文化の違いから生まれるのです。

■名前の由来を辿れば、神話の世界へ?

この二つの名前には、それぞれ興味深いルーツがあります。

「ぜんざい」のルーツは、神話の国・出雲にあり、という説が有力です。

出雲地方では、旧暦の10月に全国の神々が集まる「神在祭(かみありさい)」という神事が行われます。その際に振る舞われたのが「神在(じんざい)餅」でした。この「じんざい」という言葉が、時を経て「ぜんざい」に訛ったと言われています。神様と共にいただく、ありがたく、縁起の良い食べ物。それがぜんざいの始まりだったのかもしれません。

一方、「おしるこ」は、その名の通り「汁(しる)」のある「粉(こ)=餅や団子」という、見た目をそのまま表した名前が由来とされています。江戸時代の文献にも登場し、古くから庶民に親しまれてきた、よりストレートなネーミングと言えるでしょう。

歴史を紐解くと、一杯の甘味に、神話の風景や江戸の町人たちの笑顔が浮かんでくるようで、味わいが一層深まりますね。

■あなたはどっち派?永遠のテーマ「こしあん vs つぶあん」

おしることぜんざいの違いを語る上で、避けては通れないのが、この「こしあん」と「つぶあん」の存在です。

「こしあん」の魅力は、そのどこまでもなめらかな舌触りと、洗練された上品な甘さにあります。小豆の皮を丁寧に取り除き、何度も水にさらして雑味をなくす。その膨大な手間暇が生み出す、絹のような口当たりは、かつては上流階級しか味わえなかった贅沢品でした。小豆の「うま味」のエッセンスを、純粋に楽しみたい方に。

「つぶあん」の魅力は、何と言っても小豆の粒感をしっかりと楽しめる満足感と、素朴で力強い風味です。皮ごと煮るため、食物繊維やポリフェノールといった栄養も余すことなく摂取できます。「豆の味」そのものを、ダイレクトに感じたい方に。

もちろん、どちらが優れているという話ではありません。それぞれに、かけがえのない個性と美味しさがあります。あなたの好みは、どちらでしょうか?

■【夏の結論】夏だからこそ美味しい!「冷やしぜんざい」という選択

さて、ここまでお読みいただきありがとうございます。温かいおしるこやぜんざいが恋しくなってきた頃かもしれませんが、冒頭でお話しした「夏ならではの最高の楽しみ方」をご紹介します。

それが「冷やしぜんざい」です。

作り方は、驚くほど簡単。

器に当社のあんこを入れ、冷たい牛乳や豆乳を注ぐだけ。たったこれだけで、火照った体にすっと染み入る、極上のひんやり和スイーツが完成します。

【おすすめのアレンジ】

  • ごろごろ白玉を浮かべて、もちもち食感をプラス。
  • 旬のフルーツ(桃やキウイ、オレンジなど)をカットして乗せれば、酸味と甘みのコントラストが爽やか。
  • 抹茶アイスやバニラアイスをトッピングすれば、おうちで本格的なクリームぜんざいに。

この「冷やしぜんざい」、当社の**「希少糖あんこ」**で作ると、格別の美味しさを発揮します。希少糖由来のキレが良く、すっきりとした甘さは、冷たくしても甘ったるさが口に残りません。小豆本来の風味をしっかりと感じさせながら、後味はどこまでも爽やか。まさに、日本の夏のためにあるようなデザートです。

■文化の違いを、味わおう

「おしるこ」と「ぜんざい」。その呼び名の違いは、どちらが正しいというものではなく、それぞれの土地で育まれてきた、愛すべき食文化の多様性の証です。

こしあんなのか、つぶあんなのか。温かいのか、冷たいのか。

その日の気分や体調に合わせて、自由に選べる。この選択肢の豊かさこそが、あんこの世界の奥深さであり、楽しさなのです。

私たちのあんこが、皆様のそんな楽しい「選択」の、最高のパートナーになれたら幸いです。

▶こしあんも、つぶあんも。「あんこの革新」商品一覧はこちら

さて、次回は少しマニアックな世界へ。「あんこの色」に注目してみたいと思います。「赤」だけじゃない、知られざる「白あん」や「うぐいすあん」の世界へ、皆様をご案内します。どうぞ、お楽しみに。

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